お知らせ

運動会に寄せて #05

 以前勤めていた学校でこんなことがありました。運動会の季節にアメリカからの教育使節団が訪問されたときのことです。使節団の方々をアテンドして校舎案内をしていると運動場から「わっしょい、わっしょい。」と大きな声が響いてきました。綱引きの練習です。すると使節団の方々が足を止め、窓から運動場を覗き込み、興味深くその様子をご覧になっておられました。アメリカには「運動会」という行事はなく、学校行事として全員が参加する「運動会」がとても「日本らしく」映ったようです。

この「玉入れ」も日本独特の競技のようです。
運動会でダンスや踊りの表現活動を入れるのも、日本の「運動会」ならでは…。
さすがに「かけっこ」は日本独自の競技ということではなく、古代ギリシャのオリンピック競技がその起源と言えそうです。
リレーもその起源は古代ギリシャにあるといわれますが、この種目は近代オリンピックで世界中に定着した競技のようです。

 当時勤めていた学校はオーストラリアの小中一貫校と交流をしており、この時のことを相手校の先生にお話すると、
「オーストラリアの学校でも運動会という学校行事はありません。でも、かわりに休日に任意で参加して楽しむスポーツフェスティバルを行っています。」
と教えてくれました。

 わたしたちの「運動会」は、こうした海外のスポーツフェスティバルとは少し異なります。もちろん「楽しむ」ということや運動会本来の目的である「体力向上」といったことも大切にしていますが、加えて次のようなことも大切にしています。
1. 自分たちで考え、助け合って取り組む
2. 自分の力を出し切り、最後までやり通す
3. できた喜びを味わう
 こうしたことを運動会の本番だけでなく、運動会までの期間を通して取り組んでいく。運動会までの過程を大切にした教育活動、それがわたしたちの「運動会」です。

 運動会で子どもたちが見せてくれる演技や競技の姿は、ほんの氷山の一角です。その演技や競技に至るまでには、子どもたちの中では様々なドラマがあります。
‐うまくできずにもどかしく、だからこそ練習した
‐くやしくて涙し、次こそは…とがんばった
‐自分のやりたいと友だちのやりたいとの中で葛藤し、折り合いをつける
‐みんなで話し合い、自分たちでいちばんいい納得解をさがしていく…
そうした日々の積み重ねが大切で、そうしたことを通して子どもは成長していくのです。

「おうちの人たち、みんなのがんばっているところをご覧ください。」という開会宣言。この文言もみんなで考えました。
準備体操。みんなの前に立って先生と一緒にお手本を示します。
プラカード。年長「つき組」さんは運動会での自分の役割を果たすことで、自己有用感を高めていきます。
「りんご組」さんのかけっこでは、がんばってゴールした子に年長児が風車を手渡します。

 今年の運動会でも、子どもたちはそれぞれたくましく成長しています。そうしたお子様の成長の一コマとして運動会を参観いただき、お子様も友だちも応援し、最後までやり抜いた姿をほめてあげてください。
 26日は少し天候も心配されますが、どのお子様も自分の光を輝かせる運動会になることを願っています。

 最後に、今日の予行練習の様子をご紹介します。

うんどうかい 予行練習

 26日は、保護者やご家族の皆様方の大きなご声援をよろしくお願いいたします。